1年生を対象に、1次元と2次元の順序関係と区間に関する内容の協同学習を行った。低学年での協同学習は初めてであり、次の2点についても検討した。
(1) 順序関係や区間のような普通の算数の学習内容が、協同学習によって、どのような展開を可能とするのか。
(2) 1年生の子どもたちが、交信による授業の中で相互に意見を交換し、考えを深め るといった学習が可能であるのか。
また、兵庫県揖保川町立神部小学校での事前実験授業を基に、協同学習で扱う数学内容を次のように示した。
相互に交信しながら学習する意義として、次のことがあげられる。
写真 (工事中) 山形の子が手前で右手を挙げ,山梨の子も右手を挙げて確認している
写真 (工事中) 山形の日高教諭がアニメコンテンツを使って説明している.
今回の1年生の協同学習では、山形・山梨とも交信授業の前に同様の学習を行うとい点で、これまでとは異なる。交信による授業では、山形と山梨の子どもたちが画面を通して向かい合った形態となることを利用して、相手の立場に立って考える力を育成することに重点が置かれる。つまり、向かい合う立場そのものが、両者に新たな課題(向かい合った際の位置のあらわしかた)を提案するという意味で異質の内容との出会いとなるわけである。 また、両者が学習内容を生かした問題作りを通して、山形・山梨の独自性を発揮することが期待される。
6月20日(木)の交信による授業を行うまでに、各クラスで次の内容を学習しておくようにする。なお、この学習に入る前には事前調査を行った。
学習場面では、子どもたちが両手を使って左右を表現しながら学習するなど、体を使った活動場面を多く持つようにした。1次元や2次元の位置の学習の際には、協同学習用に開発されたアニメコンテンツも用いた。
(1)出会いの日、自己紹介(6月20日)
山形の授業は日高伸哉教諭、機器操作者は鈴木一尋教諭、山梨の授業者は古屋壽教諭、機器操作者は嶋崎修教諭であった。 画面を通じて1年生どうしが初めて出会う日である。最初に、それぞれ校歌を歌う。その後、山形と山梨が交互に自己紹介していく。自分の宝物を家から持ってきて紹介しあうなど、子どもたちの独自性や地域性が発揮され、次回の学習への意欲が高められた。
(2) 相手の位置を考えよう(6月26日)
交信相手の位置の表し方を学習する。相互に位置の表し方を使って相手を指名し合うのだが向かい合っているため、左右が逆になり正しく指名することができない。写真1は、山形の子に指名された山梨の子が自分の位置を記したカードを掲げ、正解を発している場面である。こうした学習を通して、相手の側に立って考えることを学ぶようにする。 写真2は、山形の子が右手を上げ、山梨の子にも右手を上げてもらい、向かい合った際の右手の向きを確認しているところで、写真3は、アニメコンテンツを用いて日高伸哉教諭が位置についての説明をしているところである。
(3) ボールを使って位置の学習をしよう(6月27日)
2次元の格子状の座標を一筆書きで順序付ける学習を行う。 写真3は、ストップの合図で、子どもがボールを掲げて、自分の位置を発表している場面。子どもたちが、順序付けのルールを考える際には、それぞれ工夫した方法が考えられた。そして、各方法には「ぐるぐる回し」や「お城回し」など独創性のある名前がつけられた。
(4) 各クラスでの授業 区間のカードを作ろう(6月28日)
次回の区間の学習で使うカードを作成する。地域の特産物を紹介し合うという意味で、山形はこけしとさくらんぼを、山梨はぶどうと桃をカードの表裏に描く。
(5)カードを使って区間の学習をしよう(7月2日)
前時のカードを用いて、2次元の区間の学習をを行う。写真5は、山梨の子に問題を出している場面である。最初、桃のカードを探し合図とともに、ある区間の子どもがぶどうのカードに変える。その区間を山形の子が当てる。 学習の最後には、山形の子が山梨の子に、山形のこけしを紹介し(写真6)、次回の交信を力強く約束し、協同学習を終えた。その後、事後調査を行った。
今回の1年生の協同学習による成果は次の通りである。